オンライン大学で学位を無料で取得 | University of the Peopleの魅力

こんにちは、YoheiKoです。私は2020年に働きながら米国の大学院を卒業しましたが、今日は私が卒業したWorld Quant Universityではなく、同じく無料で学位を取得できる米国のオンライン学位、University of the Peopleをご紹介したいと思います。オンライン、大学と検索するとCoursera(コーセラ)、EdxなどがのいわゆるMooCがヒットすると思います。CourseraもEdxも良質な講義が多いので私もよく受講していますが、それらは無料で大学や大学院の授業を聴講できるも、無料で学位がとれるわけではありません(学位は有料)。私が調べた限りでは最も安い学位はEdxの提供するジョージア工科大学の分析学修士号で学費は合計9,900ドル(100万円強)です(2020年5月現在、Edxで取得できる学位一覧はこちら)。オンラインで働きながら米国の修士の学位を取得できる点はとても魅力的ですが、学費では日本の国立大学と学費で大差ないです。

オンラインのMooCで大学の講義は聞けるので、もはや学位の取得は不要であると唱える人もいますが、学位不要を唱える人の多くは高学歴だったりしますので、あまり信用しない方がいいと思います。また、私は大学院に入る前にMooCを5つほど修了させていますが、MooCで得られたものはスキルの観点からは入門レベル(例えるなら計算ドリル)で、物足りなさがありました(StanfordのMachinelearningを除く)。MooCは学位も取得できなければ、スキル構築の観点からも実戦に欠け中途半端です。このことから、MooCの修了では発信力も身に付きにくいです。WordPressでブログを立ち上げる方がずっと実践的で必要とされるノウハウだと思います。

さてオンライン大学とMoocは講義は同じでも、大学は論文等課題が質的にも量的にも多く、進級要件も厳しいので真に学べるというメリットがありますが、実践的なスキル構築の観点からはどうでしょうか。私はオンライン大学(大学院)で学べる実戦的スキルは限られるも、人は権威に弱いという性質があることから、学位の取得はビジネスをする上ではプラスになると考えています。全く同じテーマの講演会があるとして、東京大学の教授あるいは著名なスタートアップの社長が講師の講演会と、無名の大学の無名の学生が講師の講演会では、前者2人の話を聞きたいですよね。

加えて、米国の大学の学位は日本ではプラスαの発信力があるように思います。今日ご紹介するUniversity of the Peopleは、決してランキングの高い大学ではないですが(wikipediaによれば世界ランク5,868位とかなり低位)、例えば日本のGMARCH(世界ランクではUniversity of the Peopleよりずっと上)在籍の学生と、米国UOPのコンピューターサイエンス学部に在学の学生の講演会又はブログがあるとして、なぜか後者に魅力(世界ランクの観点からは錯覚)を感じてしまいませんか?

University of the People



オンライン大学のUniversity of the People(UOP)は2009年に設立され、2014年にAccreditation(大学としての認証)を取得したまだ歴史の浅い大学です。本拠は米国のカリフォルニアにありますが、完全オンラインの大学なので、キャンパスがありません。日本を含め世界中から入学できます。ただインターネット回線の弱い途上国の学生に配慮し動画講義はなく、基本的にはテキストを読んで論文で単位をとっていきます。音声は聞き流すにはいいですが、単位時間当たりの内容が薄いので(読んだ方が早い)、個人的にはテキストで十分だと思います。私の大学院(World Quant University)でも動画やZoom講義がありましたが、私は動画は全く見ずテキストと参考文献を熟読し、Cumulative GPA 96%で卒業しました。

University of the Peopleの学費

学位取得のための学費は無料ですが、最低限の運営費用を負担する必要があります。運営費用は、短大に相当するAssociate Degreeで2年間総額2,060ドル(20万円強)、学士のBachelor Degreeで4年間総額4,060ドル(40万円強)、大学院(MBA)が15ヶ月で2,460ドル(25万円強)と破格です(2020年5月現在)(学費はこちら)。

University of the Peopleの学位と学部

University of the Peopleでは、Associate Degree(短大), Bachelor Degree(学士), Master Degree(修士)の3つの学位を取得できます。短大と学士の設置学部は同じで、Computer Science(コンピューターサイエンス)とHealth Science(家政科健康科学とでも訳しましょうか)です(2020年5月現在)。 一般には、非常に学費が高いコンピューターサイエンスを無料で学べるのが大変魅力的です。大学院ではMBAと教育学が設置されています。MBAも一般には学費がとても高いので無料で取得できるのは大変魅力です。健康科学と教育学も、今非常にホットな需要のあるテーマだと思います。

University of the Peopleの入学方法

1年間が5期にわかれています(9月入学、11月入学、1月入学、4月入学、6月入学)(詳細こちら)。ほぼ1年中入学可能ですが最も同期が多い期が9月入学だと思いますので、急ぎたいなどの特別な事情がなければ9月入学、あるいは11月を狙うのがいいと思います。私の大学院も4期にわかれていますが、私は同期の最も多い10月入学を狙いました。ただ日本の高校生がUOPを狙う場合は、就活の関係から4月入学をおすすめします。最近は日本人の入学が増えているようですので、4月入学は日本人同期が多いと思います。

次に学部の入学試験ですが、ここは英語しかございません。英語の受験方法は幾つかありますが、日本人ならTOEFLが受けやすいと思います。学部では61点、MBAでは71点が要求されます。日本人受験者のために英検準一級も受け付けるようですが、英検準一級よりも、TOEFL61点の方が簡単だと思います。

オンライン大学での学び方

私はUniversity of the Peopleの学生ではないですが、米国のオンライン大学院で学んだ者として、まとめの代わりに幾つかオンライン大学での学び方について書きたいと思います。まずは、ライティング能力です。UOPの入学で要求されるTOEFLのレベルは低いですが、UOPは認証もとっている立派な大学ですのでTOEFL61点のギリギリ入学すると、卒業に少し苦労すると思います。できれば70点、理想は80点欲しいです。

続いてPCです。2-4年と学んで書くので、そこそこのスペックのPC、とくに液晶の性能がいいPCが欲しいです。また、液晶を見続けるのも疲れるのでテキスト等を印刷できる一定の性能のプリンターもオンラインで学ぶには不可欠です。私は半業務用のブラザーのプリンターを使っています。

オンライン大学は、教授の雑談もなければ、キャンパスの庭で友人と息抜きをすることもできないのでかなり疲弊します。専業学生ではなく、学業と両立が可能なブラックではない会社で日中は働く(あるいばバイトをする)ことを強くおすすめいたします。働きながらの学生は土日を勉強する必要があるのでかなりハードですが、精神的にはずっと健康的だと思います。

最後ですが、学費が無料であることから仮に途中で退学となっても失うものがほぼないので、とりあえず気軽に出願するというのもありだと思います。私も思い立ってから2か月ほどで現在の大学院に出願しています。また私の同期には(彼の言葉を引用すると)”just for fun”で通っている人もいました。

こちらの私の別の記事では、オンラインでComputer Scienceの修士号がとれるアリゾナ州立大を紹介していますので、よろしければ併せてご覧になってみてください。今日も最後まで読んで頂きありがとうございました。